着物制作には何十もの複雑な工程があり、
それらの工程をそれぞれ専門の職人が行う分業制が一般的ですが、
弊社ではほぼ全ての工程を自社工房で一貫して制作しております。
その中でも代表的な工程を幾つかご紹介したいと思います。
着物の柄を生地の上に
落とし込む作業です。
挿友禅の際、
染料が他ににじまないように
防染する働きがあります。
染料を混ぜた柔らかい色糊を、生地全体にしごきべらとよばれるへらで塗りつけて、地染めをします。
生地の表面だけが染まり、裏は染まらず白いままになり発色を助けてくれるため、他の染め方に比べても発色が鮮やかなのが特徴です。
しごき染めで全面を染めるのは難易度が高いため、行っている工房は珍しいです。
筆や刷毛を使って糸目防染された模様のところに色を挿していきます。何十種類もの染料を使い、淡い色からだんだんと濃い色へと色を挿していきます。
刷毛の扱い方次第で様々なぼかし模様も表現できます。
金彩を施す際、生地の上に特殊なテープを貼り、柄や模様ごとに違う金や、ぼかしを行うために、小刀にて金彩加工を加える場所を丁寧に柄に沿って切り抜きます。この際、大切な生地を切らずにテープのみを切ることの熟練と、模様の粋を消さずに切り抜くことがとても大切です。
この作業も金彩加工の準備工程の中で非常に重要で技術のいる作業になります。
縁蓋で切り抜いた部分に、金箔粉をつけるための土台となる糊をひいていきます。
このあと行う金彩加工の種類によって、複数の糊を独自に配合して使い分けたりしています。
金・銀の箔や様々な金属箔を使って装飾する技術です。押し箔や金くくり、切箔、摺箔などの繊細な技術で京友禅ならではの美しさを表現します。
金の微妙な風合い、ニュアンスを引き出し、コントロールするのは熟練の職人が為せる技です。
貝殻の内側、真珠層の部分を削り出したものを漆地や木地にはめこむ技法「螺鈿」を応用し、柔らかい着物生地に加工する技術を独自に開発しました。
この技術によって縫い口にも用いたり、大きい面積で大胆に加工でき、衣装を彩ります。